成人の矯正治療は主として咬合の変化を成長しきったあごに求めるため、限界があります。これに対しジュニアの矯正治療は、活発な成長発育と高い適応能力によって良好な結果が得られます。すなわち、矯正治療によるあごの移動は咬合の改善のみならず、咀嚼機能の向上につながります。さらには将来にわたって虫歯と歯周病の危険性を減少させます。いわば矯正治療の本質といえます。できるだけ早い時期に矯正治療を受けられることをお奨めします。
床矯正装置には、バネやスクリューネジで力をかけて歯を動かしていくタイプと機能矯正装置といってそれ自体は力を加えることはないが、装着することにより口腔内の筋肉を刺激すると同時に舌や口腔内の筋肉の力を排除し、その結果、顎の拡大や成長さらには歯の正常な萌出を促すものがあります。ビムラーは後者の一種です。
1949年にHans Peter Bimlerによって開発されました。50年以上の歴史があります。短期で結果がでる装置でも寸分たがわず歯をきれいに並べていく装置でもありませんが、特に混合歯列期の子供たちにとっては非常に有効な装置です。ただ全てのケースに応用できるものではありませんので、ご相談下さい。
特徴としては以下の点があります。
1.基本的には夜寝ている間だけ装着するだけで効果がで
る。(最低8時間は装着する必要がある。)
したがって学校につけていく必要がない。
2.取り外し可能で、しかも唾液分泌を促すので虫歯や歯肉炎になりに
くい。
3.装置自体が力をかけることがないので、ほとんど痛むことがない。
4.7歳~9歳から始めると非常に効果的。(ヨーロッパでは大人でも使用することが
ある)
5.ゆっくりと時間をかけて顎や歯が動いていくので後戻りがほとんどない。
6.小さい頃から始めると将来的な抜歯ケースが非常に少なくなる。
7.軟組織にも効果があり、不正咬合の原因となる舌癖、口唇癖なども治ることがあ
る。